PEOPLE 2022.01.04

「キャストと同じ女性だからできるサポートもある。」ー新卒3年目の現場女性社員に聞く「女性黒服」の仕事。

クルー/玉谷朋佳(たまや ともか)

北海道出身。2019年3月、北海道大学文学部卒業。同年4月、新卒2期生としてバルセロナ入社。2年間のFillia在籍を経て、2021年6月オープンの新店舗Leicesterへ異動。現在は、キャストマネジメントに取り組みながら、自身の強みである「ホスピタリティ」を活かして、店舗への定着を図る顧客体験創りに尽力している。 Instagram運用では、「女性黒服あるある」シリーズで100万回再生超のリール続発。

Twitter: https://twitter.com/barcelona_tama

 Instagram: https://www.instagram.com/barcelona_tamachan/

ー玉谷さんは入社3年目の終わりだと思いますが、今どんなお仕事をしていますか?

 今は今年の6月にオープンしたLeicester(レスター)という新店舗で、店舗のフロントマン業務とキャストマネジメント、そしてSNS運用の3本立てでお仕事をしています。

 フロントマンは、入店されたお客様のご指名や人数、キャストのお好みやメンバーズカードの有無を確認し、VIPルーム利用の斡旋などをするポジションです。スタッフの中で唯一全てのお客様にご挨拶をするので、お店の印象を大きく左右します。

 キャストマネジメントは今10名くらい担当キャストを持っていて、店舗の中堅〜トップキャスト5名と、出勤が少なめのヘルプキャスト3.4名。育成に力を入れたい期待の新人も若干名いる状態です。

 SNSは、会社の広報のためにTwitterとInstagramを運用しています。Twitterでは「水商売と言えども、普通の大学生だった人が普通に社会人として働いているんだよ」ということを新卒の学生さんに向けて発信をしていて、Instagramでは、水商売業界に少し興味があるけど踏み出せないキャスト未経験の女性に向けて、「怖くないんだよ」と少し背中を押すような発信をしています。

水商売は「お客様の人生を豊かにする仕事」。アルバイトで培った「おもてなし力」を活かす。

ーなるほど。玉谷さんは学生時代にどんな就活をして、最終的になぜバルセロナに入社を決めたのですか?

 私の就活軸は「人の人生を豊かにする仕事」x「規模の大きすぎないベンチャー」だったんですね。ベンチャー志望だったのは、一緒に働いている人全員の顔と名前が一致して、誰がどんな表情で働いているのか見える規模感が私は良いなと思ったからです。人材ベンチャーを中心で見ていました。

 バルセロナとの出会いは、クルーとしてバイトしていた男友達に「絶対に合うから話聞いてみなよ」って紹介されたこと。今もですが、バルセロナのアルバイトって北大生がたくさんいるんです。最終的に決めたのは、私の軸とあっていて、なおかつ大好きな「おもてなし」が仕事にできると思ったからです。

 水商売は、お客様の人生を「色鮮やかで豊かなものにする仕事」で、心安らぐ場所を届けていくことに価値があると思いました。旅先・出張先にも家や職場以外の居場所があるってすごく嬉しい。テクノロジーやAIが発展しても、人と人との繋がりの温かさは人間にしか提供できないと思うんです。加えて、私は北海道の老舗飲食店でずっと接客のアルバイトをしていて、お客様への「おもてなし」を考えるのがすごく好きでした。キャストは未経験ですが、水商売という究極の接客業の中で、自分の強みでもある「おもてなし」を活かして価値貢献していくことに自分との重なりを感じて意思決定をしました。

元来、男性クルー中心の水商売業界。可能性のある「女性クルー」の存在。

ー玉谷さんが入社した当時はまだ女性クルーもかなり少なかったと思うのですが、この3年間で女性クルーは増えましたか?

 私が入社した時は、長年のキャスト経験を活かしてお客様対応で活躍するコンシェルジュが2名と、先輩女性クルーが1名しかいない状態でした。今は現場の女性クルーが増えてきて、各店1名ずつくらいは女性がいる状態ですね。22卒の内定者にも2名女性がいますし、23卒学生の面談でも女性で本選考を進んでくれている方が多くて嬉しいです。

ー水商売業界において「クルー(黒服)」というと、元来男性中心というイメージがある方も多いと思うのですが、オペレーション業務における男性クルー・女性クルーの違いや役割分担はありますか?

 基本的な店舗オペレーションにおいては、業務内容は何も変わりません。店舗の采配として、性別によってポジションや期待値が変わるということはありませんね。各々の特性と照らして合うポジションを担当します。

 基本的に変わりませんが一部役割分担はあって、同性だからこそできることや気付けることもあります。キャストさんに急に生理がきたときの対応とか、一生懸命お酒を飲んでくれて潰れちゃったキャストさんを着替えさせてあげるとか、こういった対応はどうしても男性クルーが更衣室に入れないので女性クルーの仕事になります。逆に営業前の準備で、入荷した重たいお酒やペットボトルを運ぶとか、こういう身体的に負荷がかかる仕事は男性クルーがしてくれていますね。

 また、女性であるだけでお客様からの反応が変わるという違いはあると思います。例えば、男性クルーがお客様対応に入るより、女性クルーが入った方がお客様の反応が柔らかかったり、お客様の印象にも残りやすかったりします。「珍しいね!」って言われることも多いです。

「男性が苦手。女性クルーが担当でよかった。」男性が苦手なキャストも。

ーキャストマネジメントにおいて、男性クルー・女性クルーでの違いはありますか?

 キャストマネジメントにおいては「信頼関係」が何より重要で、マネジメント自体あたっての違いは何もありません。最初に信頼関係をしっかり築いてしまえば、なんでも相談してくれるようになります。ただ、キャストからは「元々男性と話すの苦手だから、女性が担当でよかった」と言われることはありますね。業界他社には女性クルーが殆どいないので、キャストさんの特性に合わせられる選択肢が多いのはバルセロナの強みです。面接の際も女性が出てくるだけで、キャストさんが受ける印象は違うみたいですね。あとは小さな変化に気付きやすいことかな。「メイク変えた?そのドレス新調したの?かわいい!」みたいな(笑)

ー玉谷さんのお仕事のやりがいを教えてください。

 キャストさんから嬉しい言葉をかけられた時と、お客様対応している時ですね。キャストさんが「たまちゃんがいたから、バルセロナに決めました!」って言ってくれたり、「ここまで私のこと考えて、思ってくれる人に出会えるなんて思ってませんでした」って言ってくれたり、成績をあげるために一緒に頑張ってきて成績が上がって「玉谷さんのおかげで」って言われる時も勿論嬉しいんだけど、それ以上に、意識していない自分の言動が誰かのためになっていた時に「ああ、ちゃんとやっててよかったな」ってすごく思いますね。

 お客様対応だと、新店オープン当日気絶しそうなほど忙しい中で、長年付き合いのあるお客様に「たまちゃん大丈夫?俺はゆっくりで良いから休んでなよ!」って声かけてもらえたり、久しぶりに会うお客様に「お!たま、お前綺麗になったな!」って言ってもらえたり、人と人としての関係が築けていると感じた時にすごく嬉しいなと感じます。

「女性がもっと選びやすい仕事に。」SNS発信で、踏み出す最初の一歩のあと押しがしたい。

ー玉谷さんの今後の目標を教えてください!

 私が入社して3年ですが、この3年間だけでもどんどん新しいことが始まって、会社が変わってきました。来年4月には新卒が14名入ってきて、これからも会社のPDCAの回転は加速して、会社がすごく前に進んでいく期待とワクワク感を感じます。その中で、私は入ってくる新卒たちみんなの「お母さん・お姉さん」みたいなポジションでいたいなと思っていて(笑)バルセロナを選んでくれた後輩の皆が、働く上で悩んだ時、苦しい時、そういう時に精神的に支えてあげられる、頼りたくなるような人でいたいです。勿論、私自身も上の役職も目指していますよ。

 また、キャストという仕事をもっと女性が選びやすい仕事にしていきたいです。キャストを経験すると人生の価値観も変わりますし、一日体験だけでも良いからキャストに挑戦する女性が増えたら良いなと思っています。一度でも体験すると、それから先の人生で大きなお金が必要になった時、キャストという選択肢へ踏み出しやすいと思うんですよね。その踏み出す一歩が私のSNS発信を通して提供できていたら嬉しいなと思います。

ー今、女性クルーとしての入社を検討している皆さんへ、メッセージをお願いします!

 まだ怖い気持ちもあるかもしれないけど、私は毎日とにかく楽しいです!まだ男性クルーが多いのも事実ですが、みんな優しい紳士なお兄さん・お父さんみたいな人ばかりですし、同じ女性としてキャストさんから学ぶところもたくさんあります。女性の黒服って業界の中ではまだまだ本当に少ないから「女性が働いている」というだけでも店舗の印象って全然違うと思うんです。だから、大袈裟ではなく本当に女性黒服って店舗に存在するだけでも価値が大きいです。イメージが沸かなくて怖いという方は、ぜひ私のInstagram(@barcelona_tamachan)で「女性黒服あるある」をみてください。少しでもイメージを掴んで、ぜひ安心して挑戦して欲しいです。お待ちしてます!

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