「大好きで、大嫌いなキャストの仕事。誇れる仕事に私が変える。」ー 周囲から称賛される生き方にこだわっていた私が、恥じていた水商売に入社を決めた理由
バルセロナには、特別な役職を持つキャスト経験者の社員が2名います。人材育成部部長の七瀬麻美さんと、営業部長の山下遥香さんです。元4年連続グループNo.1キャストという実績を持つ七瀬さんとは違い、学生時代にキャストを経験し、新卒で役職という異例の待遇で入社した山下さん。他社に内定承諾をしていた中、なぜ最終的にバルセロナに入社することにしたのか。今回は新卒2年目の山下さんにお話をお伺いしました。
営業部長/採用人事 山下遥香
1995年、大分県出身。北九州市立大学文学部卒。学生時代は、英語学習関連のWEBサービスの開発や採用コンサルの長期インターン、アメリカへの交換留学などを経験。MISS JAPAN 2019へ出場し、日本5位入賞。日英中を話すトリリンガル。福岡中洲等で5年間キャストとして活躍し、2020年1月株式会社バルセロナ新卒入社。キャストの経験を活かし、営業部長としてVIPゲストの接客・対応を担当しながら、新卒採用・キャスト採用に従事している。
「前例」のない仕事を自ら創出し、成果が出るまで試行錯誤する毎日。
ー山下さんは、今バルセロナではどんな仕事をしていますか?
山下:今は「VIP営業」「新卒採用」「キャスト採用」の3本立てでお仕事をしています。キャバクラって、一晩に数十万円、数百万円、場合によっては数千万円など信じられない高額をお使いになるVIPのお客様たちがいらっしゃるんです。営業部長としては、ご来店されたVIPゲストのお席につかせていただいて、ご挨拶や接客をさせていただく仕事をしています。
新卒採用では、2020年の1月から社長直下のプロジェクトとして執行役員の津野と2人で新卒採用の再設計を始めて2年目になります。会社の成長戦略と紐付けた採用要件・採用目標の決定、チャネルの策定、選考フローの再設計、採用・インターンのリブランディング、面接履行、採用広報など、当初は役員と2人で採用に関する全てを再設計していました。今は4人の採用チームで動いています。
キャスト採用では、トップキャストのヘッドハンティングをしています。キャバクラという事業の特性上、会社の売上を作るのは「キャストさん」で、彼女たちのモチベーションが売上に直結するビジネスなんです。ですので、ポテンシャル高い人材の採用・育成、頑張りたくなる環境/制度作りが必須です。私の担当は採用の部分で、年間で数千万円〜数億円の売上を構築されるキャストを採用するプロジェクトを元トップキャストの社員と動かしています。こちらはまだ成果は出せておらず試行錯誤中です笑
「いい会社だけど、新卒入社はナシ。」コンプレックスと葛藤した大学生活。
ーバルセロナに出会ったのはいつのタイミングですか?
他社に内定承諾して就活を終えた大学5年生の頃、人材系の会社で長期インターンをしていたのですが、その時の案件としてバルセロナに出会いました。素敵なビジョンを掲げていて、私は学生時代キャストとして長く働いていたので「水商売は承認ビジネスだ」っていうメッセージにすごく共感しました。ただ、当時は「すごく応援したいけど、新卒入社はしないな」と正直思っていました。
ーなぜ、当時「新卒入社はなしだ」と思ったんですか?
当時の私、コンプレックスの塊だったんです。大学受験失敗して感じた「学歴コンプレックス」みたいなものが特に強くて、大学1年生からずっと「自己成長せねば」という強迫観念に駆られていました。学生団体の代表をしたり、複数社のスタートアップで長期インターンをしたり、留学をしたりと「どんな経験を積めばラベル以外で評価される人間になれるか」だけを重要視していて、成果を出して実績を作りたかったので休む暇なく仕事していました。そんな状態だったので、周りのみんなに「いい」と思われない意思決定をする勇気がなかったんです。
就活では、自分の意志を大切にした就活をしたつもりでしたが、今振り返るとその欲求を捨てきれなかったんだと思います。コンサルやメガベンチャーから内定をいただいて内定承諾をしたけれど、どこか意志が固まらなくて、内定先を移動したこともあります。いろんな方に迷惑をかけたなと思います。「自分の本当にしたいことってなんだろう?」という漠然とした問いを永遠と抱えていました。
大嫌いだったキャストの仕事。本気で取り組んだ先に気づいた自分の気持ち。
―そんな状態から、どういう経緯で再びバルセロナにたどり着いたんですか?
大学1年生から続けていたキャストの仕事に、最後の1年間、本気で取り組んだことが大きく影響しています。元々は、留学の資金集めくらいのモチベーションで働いていたので、お客様に口説かれたり、「もっとマシな仕事しなよ」って嫌味を言われたり、お店やママに雑に扱われたり、周りのホステスさんもつまらなさそうにしていたりで、正直大嫌いだとさえ思っていました。でも、本気で働いて毎月200万円くらい売上もあげるようになると、見える世界が変わったんです。
成果を出すプロセス自体も好きだったのですが、私が本気で仕事に取り組むようになると周りにいる人たちが変わったことにすごく驚きました。応援してくださるお客様にたくさん出会い、意思を持って仕事する素敵なキャストさんに囲まれるようになり、人の温かさに触れられる血の通った水商売のお仕事が大好きになりました。「キャストをしていたから、子供を大学まで通わせられた」と語るシングルマザーの方や、卒業して夢を叶えたキャストさんにもたくさん出会いました。
大嫌いだったけど、大好きになった水商売。「私が本当にしたい仕事ってなんだろう?」その問いに改めて向き合った時、自然に湧き出てきた答えが、水商売だったんです。私、水商売って「女性が、生まれ育った環境や学歴、スキルに左右されずに、理想の人生を掴み取れる仕事」だと思うんです。嫌なこともたくさんあるけど、自分の「在り方」で変えられる可能性はある。私が感じている水商売の可能性を、心から叫べない現状があるんだったら、私が業界ごと変えていけばいい。それこそ私がしたいと仕事だと思いました。ちょうど、波戸崎社長がキャストとしての実績を買ってくださって今のポジションのオファーをくださったこともあり、出会いから時間はかかりましたが、新卒で入社するという意思決定に至りました。
「頑張る大人のサードプレイス」 キャバクラの海外展開を推進したい
ー入社して1年。バルセロナで働いての感想をお伺いしたいです。
スピード感があって、毎日全力で、たまに息切れしそうになる時もあるけど、めちゃめちゃ楽しいです。もう5.6年分くらいの喜怒哀楽を経験している気がします笑 個人的な考えなのですが、バルセロナは「お金のあるスタートアップ」みたいな感じだなぁと思うんです。 利益体質がしっかりしていて不況にも強く、バルセロナは創業期から、リーマンショックや北海道地震を経験しても赤字を叩いたことがない。出た利益を先行投資にまわし続けている。そういうしっかりした基盤の上に成り立っていて、一人一人が意志を持って会社を前に進めていく第二創業期が今です。
会社として未成熟なところもまだあるので、噛みごたえのある課題解決をずっとしている感覚です。成果を出せば、年次に関係なくプロジェクトにアサインされる。私、自分の中では結構踏み切った意思決定をしたと思っているので、ギュッと凝縮された20代を過ごして、時間軸をどんどん早めていきたいんですね。実際、入社して今でちょうど1年半経ちましたが、社内の重要なプロジェクトを複数動かし、自分は会社の成長のために何ができるだろうかと考えて行動する毎日は、大変ですが楽しいです。
ーこれからバルセロナで注力していきたいことはありますか?
今している新卒採用の仕事って会社の成長を直接的に下支えする非常に重要な仕事だと思うんですね。特にバルセロナでは、22卒の入社をもって会社の過半数を新卒が超えることになります。業界のスタンダードを塗り替えていく私たちの挑戦の下支えは、優秀な新卒の採用・育成なくしてあり得ないと考えています。この新卒採用には、これから先も力を入れていきたくて、人事サイドから会社の未来を手繰り寄せていきたいです。
また、現在の仕事以外で言うと、キャバクラの海外展開の推進をしていきたいです。私たちバルセロナは、キャバクラの提供価値を「頑張る大人のサードプレイス」と再定義していて、日本初の新たなVIPをターゲットにしたビジネスとして綺麗にパッケージ化して、世界に届けていこうとしています。この海外展開のプロジェクトの推進をしていきたいです。そのためにもまず、近々で走り始めるシンガポールへの出店プロジェクトを成功させたいですね。
ー最後になりますが、山下さんが大事にしている価値観を教えてください。
「待っていないで、自分が変わる。自分で変える。」っていう考え方を大事にしています。周りのせい、環境のせい、生まれ育った環境のせい、いろんなことのせいにして嘆いて、変化を待つだけの人って意外と多い気がするんですね。でも、何かや誰かのせいにしていると被害者になっちゃって、目の前の状況を打破する思考が自分から奪われると思うんです。大事なのは、どんな状況でも、全部自責で考えて、自分がどうできるか?自分がどうするか?自分がどう変わるか?だと思うんです。どんな時も、待ちではなく攻めのスタンスで、他責ではなく、自責でいる。これからもそうやって自分の足で前に進み続けたいです。