CAREER 2021.10.20

「達成感はまだない。」入社後、マネージャー最速昇格。新卒2年目、役職者として新店舗の立ち上げに挑む。

 2021年6月にオープンした新店舗Leicester。新店舗において、店舗責任者に次ぐNo.2であるマネージャーを務めるのは、京都大学を卒業して入社した新卒2年目の新卒社員です。昨年度のグループ年間No.4キャストの担当クルーを務め、最速でマネージャーに昇格し、新店舗立ち上げに挑む2年目の社員に、最速昇格の背景と、新店舗立ち上げの実情をお伺いしました。

マネージャー 富吉浩之(とみよし ひろゆき)

 京都府出身。洛星高校卒業。2021年3月、京都大学 経済学部卒業。外資コンサルファームの内定を辞退し、2020年9月にバルセロナに早期入社(People Strategyコース)。ニュークラブP&Jにてグループ年間No.4キャストの担当を経験。当時マネジメントしていたキャストの総売上は年間約2億円。2021年1月サブマネージャーに昇格。同年6月新店舗Leicesterへの異動に伴い、マネージャーに昇格。個々人が意志を持ち、同じ方向に向かって動く良い店舗を創るべく、新店舗の立ち上げに奔走中。自社開発中のキャストアプリの開発にも携わる。

自分の意志は存在しているか。コンサルの内定を辞退してバルセロナへ。

ーバルセロナ入社を決めた経緯をお伺いできますか? 

 当時、京大の先輩や友人がこぞって外資系コンサルティング企業を志望していたこともあって、僕もコンサルだけ受けて数社から内定をいただきました。就活を通して「将来やりたいことってなんだろう?」って考えてはいたんですけど、まあ見つからなくて。それで、色々な業界と関われて幅広い経験ができるコンサルを選ぼうとしていました。でも、どこか違和感も感じていて…。僕は親から言われて幼少期から塾に通って中学受験をし、京都大学に進学して、皆にいいと言われる道を歩んできた。自分で選んでいるかのようでそうではなくて、今回も皆と同じ道を選ぼうとしている。そこに自分の意志はあるのかと。それでいいのかって。

 そのタイミングで出会ったのがバルセロナ。入社を決めたのは「当事者として仕事をする熱さを自分の物にしたい」と思ったからです。それまでの僕は何に対しても、距離を置いて俯瞰した物事の見方をしちゃう傾向が強くて、どこまで行っても当事者ではなく、少し離れた監督的な立場になりがちで。物足りなさを感じていました。 その点、惹かれたのはバルセロナ社員の「当事者意識」です。熱量を持って仕事に取り組んでいて、シンプルにかっこいいなと思いました。この人たちの近くで、事業会社の中で働くことで、自分も「当事者」として働く熱さを獲得できるんじゃないか。今回は、自分がいいと思ったものを自分の意志で決めたい。そう思って、入社を決めました。

入社後、最速でマネージャーへ昇格。グループ年間No.4の担当を経験。

ー富吉さんは入社後5ヶ月目でサブマネージャー、10ヶ月目でマネージャーと、最速で役職者に昇格しているかと思いますが、入社後は何に注力して仕事をしてきましたか?

 入社直後から、店舗ではお店の売上やお客様の満足度を大きく左右する「リスト業務」と「キャストマネジメント」に注力してきました。この2つが特に店舗を円滑に運営し、店舗の売り上げを上げていくためには欠かせない業務だからです。リスト業務は、キャストさんとお客様のマッチングを図る仕事です。ご来店されたお客様に、一番相性の良さそうなキャストをご紹介していきます。この精度によって売上は大きく変わってくるので、かなり注力をして取り組んできました。 

 キャストマネジメントでは、入社直後からトップキャストを含む数名のキャストさんを担当していました。未経験で何もわからない中で始めたマネジメント。何も分からないからこそ「寄り添って話を聞くこと」と「何でもいいから役に立って期待を裏切らないこと」を大事にしていました。そうすると、相手を想っての言動が少しずつ「信頼」に繋がって、二人で一緒に頑張っていく関係ができていきました。その中でも「未経験の新卒が担当で大丈夫かな」と不安がっていたトップキャストさんが、「トミーは本当に私のことを想ってくれている。トミーを一番にするためにがんばる」って言ってくれて、グループ年間No.4という本当にすごい成績を残してくれた時はすごくすごく嬉しかったです。

「寄り添い」と「指摘」のバランス。それが成果を出すマネジメント。

ーご自分のどこが評価されて最速でマネージャーに抜擢されたと思いますか? 

 まず店舗には、店舗責任者(店長)・マネージャー・サブマネージャーの3つの役職があります。店舗責任者(店長)は、年間売上8~10億円に対する全責任と采配を握る役職です。店舗に在籍している50~70名のキャストの採用、定着、マネジメントによる育成など、また店舗のクルーの育成、評価、VIPゲストの対応など、その他目標達成に対する様々なKPIを握っています。マネージャーは、店舗責任者の下で共に達成に向けて動く、副店長のような役職。サブマネージャーはさらにそのサポートをしています。

 僕は「マネージャー」に入社10ヶ月目で昇格させていただいて、今新店舗の立ち上げをしているのですが、評価されたポイントは、セルフコントロールとリスト能力、あとはキャストマネジメントの3つあたりかなと個人的には思います。セルフコントロールに関しては、どれだけ忙しい状況でも、自分の感情をコントロールして表に出さずに、常にお客様やキャストさんの表情、店舗全体の状態を見て冷静に判断し、最適な行動を取り続ける力。リストをしていく上でも重要です。

 そして、役職者になる上で最も必要だと思うのがキャストマネジメント。サブマネージャーまでに必要なのはキャストに寄り添う力で、寄り添って、信頼関係を構築して、成績を上げていく力。マネージャーになるために必要なのは「指摘する力」です。寄り添うだけじゃなく、駄目なことは指摘してキャストさんの行動や思考を変えていく。自分の担当キャストだけでなく、在籍キャスト全員に対してそう動けることが重要です。それを意識してきたことが評価されてマネージャーになれたのかなと思います。

「無限に不安…。」自分の能力不足を痛感する新店舗立ち上げの毎日。

ーなるほど!富吉さんは新店舗オープンのタイミングで昇格が決まったと思いますが、新店舗にマネージャーとして配属が決まった時はどんな気持ちでしたか? 

 正直言うと「無限に不安…」って感じでした(笑)なんで先輩マネージャーじゃないんだろう。先輩の方が絶対にうまくいくのにと思ってましたね。新店舗は、どんなキャストさんが来るかもわからない。入社して一年も経っていない自分がマネージャーになって、先輩たちや同期、後輩たちがついてきてくれるのかも分からない。経験値が低いまま、マネージャーとして仕事開始。無限に不安を感じていました。オープンから数日間の爆混みする店内の中で「僕にこの店が動かせるのか…」と自分の能力不足を強く感じていました。

ー新店オープンからの3ヶ月間で、富吉さんが苦労したのはどういうポイントでしたか? 

 特に苦労したのは、店舗のキャストさんのカルチャー創りです。新店舗はオープンのタイミングで70名を超えるキャストを採用するのですが、バルセロナグループ以外の他社店舗からも沢山移籍してくるので、様々な「カラー」が混ざって、バルセロナ歴の長いキャストが多い店舗では起こらなかった問題行動が毎日見受けられます。例えば、既定ルールを守らずに終業時間まで働かずに帰ろうとしたり、更衣室で大きな声で悪口を言ったり、協力して接客をしなかったりなどです。こういった問題行動が原因となって、お客様にまつわるキャスト同士のトラブル、キャストやお客様からのクレーム、キャストから毎日挙がる退店意志などが発生します。

 この3ヶ月は本当に毎日毎日こういった突発的な対応に追われ、プラスの状態を創り出すための先回りした施策を打つ余裕がなく、起きたマイナスを0に戻すことに追われていましたね…。クルーも手探りなので、暗闇の中で進み続けてきた感じです。最近はようやくプラスの創出に向け手を打てるようになってきて、少し成長したなと感じています。

ひとりで店舗は動かせない。クルーと共に、組織風土・成果を創る。

ーマネージャーになって、自分自身の一番変わったなと思う部分はどんなところですか? 

 マネージャーとして、店舗責任者と一緒に店舗としての方向性を考え、自分からどんどん発信してメンバーに共有する。ここが一番変わったなと思っています。昔は「自分がわかっていればいいか」という意識で終わっていたんですが、いろんなKPIも含めて、店舗は一人では動かせないので。ちゃんとメンバーと二人で話す時間を作って、店としての方針やそうしたい理由を共有して、みんなにも一緒に動いてもらうようになりました。Leicesterのメンバーはすごく理解してくれるし、本当に助かっています。 

ーこれから注力していきたいポイントはありますか? 

 最近やっと取り組み始められたことでもあるのですが、起きた問題への後手の対応に追われるのはなく、問題が起こる前に未然に発見・対応し、店舗をより理想的な良い状態に作るための前向きな施策をどんどん打っていきたいと考えています。まず注力したいのは、トップキャストが働きやすい環境づくりです。頑張ってくれている売上のあるキャストさんたちが働きやすい、仕事しやすい環境を創ることは私たちクルーの使命だと思っています。

 そのために、今はまだバルセロナのカルチャーが浸透していない新人キャストさんや、売上のないヘルプキャストさん中心にミーティングをして行って、お店の方針や気をつけていきたいこと、やって欲しいことなどをお伝えしていっています。協力してくれるキャストさんを増やして、店舗の雰囲気や組織風土を創っていきたいですし、バルセロナ的なカルチャーを店舗に根付かせていきたいですね!

「達成感」はまだない。理想を追って走り続ける葛藤の多い日々。

ー新店舗オープンして3ヶ月経ちましたが、今どんなお気持ちですか? 

 実際、「やりがい」はすごくあるんですけど、「達成感」はまだ全然無いんです。まだ自分の中では全然完成していない。理想としては「バルセロナのLeicester」っていう店舗をしっかり創ること。もっといい店舗を創っていきたい。そのための「教育」もやっていきたい。それが一通りでできて、いい店舗ができたら、すごく大きな達成感を感じると思います。今はまだ理想を追って走ってるっていう感じで、葛藤中ですね。 

ー「いい店舗を創っていきたい」という話がありましたが、具体的にはどういう店舗を作っていきたいですか?今後の目標もあわせてお伺いしたいです! 

 Leicesterのクルーは一人一人の「仕事能力」と「プロ意識」がすごく高いと思っています。だからこそ、もっとクルー同士、キャスト同士の協力関係をちゃんと構築していって、キャストからのクレームが滅多に起きないような店舗を創っていきたいです。もちろん、仲良しこよししようっていう訳ではなく、仕事だからこそお互いプロとして協力できる文化のあるお店を創っていきたいです。あとは個人的な目標でいうと、僕は結構不器用で、何かに注力すると何かが抜けてしまったりする部分があるんです。そこを全て徹底してできるようになりたいです。それができるようになれば「店舗責任者」という役職が見えてくるんだろうと考えています。ここ1.2年の目標は、全ての仕事や店舗の目標達成を丁寧にオンタイムで進めること。そして、店長を目指しながら、より個々人が意志を持って働く「いい店舗創り」をしていきたいです。

「人」が全て。相手を深く知り、伝え方を変える。   

ーありがとうございます!最後に富吉さんが仕事をする上で大事にしている価値観を教えていただきたいです。 

 相手を知り、伝え方を変えることです。やっぱりこの職業って、圧倒的に「人と話す機会」が多いと思います。キャバクラってサービスが「人」だからこそ、お客様も、接客するキャストさんも、マネジメントする側のクルーも、全てが「人」と「人」。対面で動くんですよね。だからこそ発する言葉を僕は大事にしています。 

 僕は、相手がどんなタイプなのか、どんな価値観を持っているのか、どんなアプローチで最も心が動く人なのか、相手を知って相手のタイプに合わせて自分の接し方や伝え方を変えます。昔から付き合いが広くて、自然に自分のキャラを変えながらいろんな所属の人たちと仲良くしてきたんですよね。だから、相手によって自分を変えるのは得意なのかもしれません。そうすることで、より相手にメッセージが伝わりますし、動いてくれるようになる。「相手に合わせて自分の伝え方を変える」のはすごく意識していますね。 

 

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「人」が全て。相手を深く知り、伝え方を変える。    マネージャー  富吉浩之

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